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MTBF(平均故障間隔)、MTTR(平均復旧時間)の違いは?それらを使って表す稼働率を解説!情報処理試験の午前問題で出された問題もまとめました!

こんにちは。たいら(@tairaengineer2)です。
この記事では情報処理試験のどんな午前問題のも出てくる可能性があるMTBF(平均故障間隔)MTTR(平均復旧時間)
これらの違いと、その2つを用いて表される稼働率について書いていきます。
最後の方で実際に情報処理試験で出題されたものをまとめました。

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MTBF(平均故障間隔)とは?

MTBF 【 Mean Time Between Failures 】 平均故障間隔
MTBFとは、機器やシステムなどの信頼性を表す指標の一つで、稼働を開始(あるいは修理後に再開)してから次に故障するまでの平均稼働時間。「MTBFが10年」とは「10年の稼働時間の間に平均1回故障する」という意味。

MTBF(平均故障間隔)とは - IT用語辞典から引用させて頂きました

ざっくり言いますと、そのシステムがどれくらいもつのかという指標です。
MTBFが大きければ大きいほど、そのシステムは長く稼働する、つまり信頼できるシステムであると言えます。
MTBFを長くするためには、予防保守やメモリの誤り訂正機能などが効果的です。
MTBFを求める式は次の通りです。

MTBF=機器やシステムの稼働していた時間/故障した回数

どういうことなのかということを図を用いて説明します。

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これは私が適当に作ったシステムの稼働時間を表してます。
赤い部分がシステムが稼働していて、灰色の部分が故障してシステムが稼働していない部分です。
下にある数字はそれぞれそのブロックで使った時間です。

総稼働時間 100分+110分+200分=410分
故障した回数 2回
故障していた時間 30分+5分=35分

MTBFを求める場合、システムが稼働していた時間の合計と故障した回数で割ると求められます。
つまり今回の例でいうと

MTBF=(100分+110分+200分)/2回=410分/2回
  =205分

このシステムは平均して205分稼働したら1回故障するということが分かります。
これがMTBF平均故障間隔です。

MTTR(平均復旧時間)とは?

MTTR 【 Mean Time To Repair 】 平均復旧時間 / Mean Time To Recovery / 平均修復時間
MTTRとは、機器やシステムなどの信頼性を表す指標の一つで、故障などで停止した際に、復旧にかかる時間の平均。「MTTRが10時間」とは「修理に平均10時間かかる」という意味。

MTTR(平均復旧時間)とは - IT用語辞典から引用させて頂きました

上記にも書かれていますが、そのシステムが故障した場合、どのくらい停止しているのかという指標です。
MTTRが小さければ小さいほど、そのシステムは復旧するのが早い、つまりシステムの保守性が高いと言えます。
MTTRを短くするためには、エラーログを取得したり、遠隔保守できることなどが効果的です。
MTTRを求める式は次の通りです。

MTTR=機器やシステムが稼働していない時間/故障した回数

どういうことなのかということを先ほど使った図を用いて説明します。

f:id:Tairax:20180218185905p:plain

総稼働時間 100分+110分+200分=410分
故障した回数 2回
故障していた時間 30分+5分=35分

MTTRを求める場合、システムが稼働していない時間の合計と故障した回数で割ると求められます。
つまり今回の例でいうと

MTTR=(30分+5分)/2回=35分/2回
  =17.5分

このシステムは故障した場合、平均して17.5分で復旧するということが分かります。
これがMTTR平均復旧時間です。

稼働率とは?

稼働率とは、システムや装置が、ある期間の中で正常に稼動している時間の割合。

稼働率とは - IT用語辞典から引用させて頂きました

稼働率とは字の通りで、一定の運転時間のうちどれだけシステムが正しく稼働しているかを表しています。
稼働率を求める式は次の通りです。

稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)

稼働率は0以上1以下の値になります。
なので、1に近ければ近いほどそのシステムの信頼性は高いと言えます。
ではさっき求めたMTBFとMTTRを使って稼働率を求めます。

稼働率=MTBF/(MTBF+MTTR)
  =205分/(205分+17.5分)
  =0.9213....

約92%の稼働率だということが分かりました。

余談ですが、少し古いニュースでどの程度の企業が稼働率を設定しているのかというものがあります。

it.impressbm.co.jp

金融の稼働率の高さがやばいです。
なんと「99.999%」
これが1年間の稼働率だとすると

1年間×365日×24時間×60分×0.001%=5.256分

なんと停止時間わずか5分。
金融関係のシステムにはとてつもなく高い信頼性が求められていることが分かります。

 

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MTTR、MTBF、稼働率はどんな時に使われるのか?

MTTR、MTBF、稼働率はRASの指標として使われます。

RAS 【 Reliability Availability Serviceability 】
RASとは、コンピュータシステムが期待された機能・性能を安定して発揮できるか否かを検証するための評価項目として知られる3つの要素。

RASとは - IT用語辞典から引用させて頂きました

RASとはシステムの信頼性を測るための指標なんですね。
RASはReliability、Availability、Serviceabilityのそれぞれの頭文字を取ったアクロニムつまり頭字語です。
MTTR、MTBF、稼働率のそれぞれの関係は次のようになります。

頭文字 英語名 評価項目 指標
R Reliability 信頼性 MTBF
A Availability 可用性 稼働率
S Serviceability 保守性 MTTR

これらの項目を用いてシステムを評価していくというわけですね!

実際に出た試験

MTBF、MTTRそして稼働率について分かりました!
では、実際に問題を解いてみましょう!
情報処理試験で、午前問題に出題された問題をピックアップします。

ITパスポート試験

平成21年春期問61 MTBF, MTTR, 稼働率の組合せ|ITパスポート試験ドットコム

平成23年特別問71 MTBFとMTTRと稼働率の関係|ITパスポート試験ドットコム

基本情報技術者試験

平成20年秋期問34 MTBFとMTTRを表した式|基本情報技術者試験.com

平成27年秋期問14 MTBFとMTTRに関する記述|基本情報技術者試験.com

※平成27年秋期問14と平成23年秋期問18は同じ問題なので、平成27年秋期問14のみ載せてます。

応用情報技術者試験

平成18年秋期問34 システムの稼働率|応用情報技術者試験.com

平成20年秋期問34 MTBFとMTTRを表した式|応用情報技術者試験.com

平成23年秋期問18 MTBF,MTTRの関係|応用情報技術者試験.com

平成26年春期問15 MTBF,MTTR,稼働率の関係|応用情報技術者試験.com

平成27年秋期問15 MTBF,MTTRの関係|応用情報技術者試験.com

平成28年秋期問14 MTBFとMTTRと稼働率の関係|応用情報技術者試験.com

平成29年春期問15 並列システムの稼働率は幾らか|応用情報技術者試験.com

 

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問題の傾向とまとめ

傾向としてMTTR、MTBF、稼働率が計算できるかどうかという問題が多く出題されます。
計算式をしっかり理解しましょう!

以上がMTTR、MTBF、そして稼働率についての解説です。
あなたの勉強に少しでもお役に立てれば幸いです。

ではでは~(・ω・)ノシ

 

ほかにも勉強記事を書いてます。
よければご参考ください。

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